おやすみなさい

報告は以上です

わたしだけの鳥の巣がほしい

 

 歳ばっかり勝手にくうものだから、自分が一丁前の23歳であるような気分になってしまう。

 わたしはレベルが(レベルってなんだろう)小学生なのだから(たぶん8歳くらい)しかたがない(なにが)って思いだすと、ふと気分が楽になる。

 計画的に生きるひつようなんてないよねえ。そうしたい気持ちがないのになんで義務感で。

 私の思考は「ねばならぬ」と「念のため」ばかり。

 

 わたしはいつも計画的に生きなきゃって思ってる。備えて蓄えて念のためにもっと備えなくてはと考えている。いつも未来のために今を犠牲にしている。

 それってばかみたい。一生そんなことくりかえしているつもりなのかな。

 それで、ここ数年は、念のためとかあんまり考えないようにしています。念のためだけじゃなく、考えることをあまりしないようにしています。

 そのいいわけで、わたしって子供なのだからしかたがない、と思う。いつか困るかもしれないけれどしかたがない、自分で選んだんだからそんなものだ。いつか困って気が変わったら考え方を変えればいいやと思う。やりかただって変えればいい。

 

 

 自分のおうちが欲しいんです。子供っぽい欲望です。ふとんで「鳥の巣」を作る遊びが好きでした。自分だけのおうちだったから。

 23歳になっても自分のおうちが欲しくって。

 23歳にもなって「一人暮らしがしたーい☆」なんてはずかしいんだけど。

 

 親のそばにいるのが親孝行だって考えていました。

 妹はわがままだし自分じゃなにもできないし、お父さんだってお母さんのこと好きなのかよく分からないし、お母さんのほうがもっとお父さんのこと好きなのか分からないし、私がなんとかバランスを取らなきゃ、なんて思ってたんです。

 でもそれってとっても勘違いだった。どっちかっていうと私がいちばん腫れ物だった。ふつうに。ものすっごい腫れ物扱いされてた。

 妹はたまに喧嘩もするけれどお母さんと仲が良かったし、お母さんとお父さんは休みのたびに一緒に出掛けてる。

 そうだよねー親子って喧嘩するんだよね、ふつう。私がしないだけだった。しないようにお互い遠慮してただけみたい。父母の仲も、見た目ふつうに仲良いのだけど、なんでそんな疑心暗鬼になってたのだろ。人のこと信用してないんだなあ。皆悪者だと思ってる。

 すべてがとりこし苦労だったというか。

 で、あー家出ていいんだなーってほっとしました。そうしたら、すっきり、じゃ家出ます。と思った。

 

 親孝行だと思って就職を決めました。

 べつに就職なんかしなくてもいいんだけど、と思ってたけど、最後の親孝行と思って就職した。その区切りで家を出ようと思った。

 ま、一人暮らししたって所詮自分のおうちじゃなくって借りてるだけなんだけど。でも実家だってわたしには親の家を借りているという気しかしない。物心ついたときからずっとそう思ってた。

 皆があんまりそうは思っていないっていうのがふしぎ。自分が当然だと思っていたことで案外当然でもないこと、あるって言うけど案外ないんじゃない? と私は考えていたんだけど、案外、案外案外言ってるけど、案外、あるのだと、大人になって()知った。

 

 

 外食が嫌いだった理由のひとつに気を遣いまくらなきゃいけないのが嫌っていうのがある。なぜかうちは家計に困っているはずだと決め込んでいて、いつもメニューのなかで一番安いものを選んでた。ジュースも飲みたかったけれど、水でいいって言い張ってた。

 スーパーに買い物に行くとお母さんは「好きなお菓子もっておいで」って言ってくれていた。わたしはいつも「何円まで?」と聞く。「何円でもいいよ、好きなのもっておいで」「何円までか決めて」「500円?」「高くない? 200円でいい」。
妹がそうしないのが不服だった。今思えば子供なんだからそれでいいんだけど。親のお金を消費しているっていうのがいやだったんだよね。

 これらも当然まったくのとりこし苦労。べつに裕福じゃないけど、妹も私立の大学に通っていて、私なんか高校から私立で、学費の高い芸大、そんで大学院まで一切奨学金も借りずに通わせてもらって。習い事もいろいろさせてもらったし小学生の頃から塾にだって通わせてもらってた。全部自分がやりたいって始めたこと。

 いやな子供だったな。子供に遠慮されるなんて親もはずかしいやら可哀想やらでいや~な気持だっただろうなあ。なんにも考えず無邪気に甘えてたほうがかわいげあったね。

 すごく恵まれた環境で生まれ育ったのに、なんだか自分が勝手にかたくなにその恩恵を受けるのを拒否してたみたい。と今になって思う。ばかだな~。

 良かれと思ってやっていたんだけど。間違いだった。でも気持ち的には残念賞あげたいって思っちゃう。もちろんこれだけじゃないけれど、お金のことはちいちゃな話だけれど、あの頃の気持ち、あの頃の自分を救ってあげたくて抱きしめてあげたくてわたしはなんだかいろいろいろいろしているんだなとたまに思う。

 

 

 やさしい人たちだし、家族のことは好き。許せない部分ももちろんあるけれど、いい人たちだな~って思う。だから今のうちに家を出ます。まああと1年くらいあるんだけれど。