おやすみなさい

旧nikki desu

大人になりたい


 子供だけの国でずっと子供のままで過ごしたい。それがむりならきちんと大人になりたい。

 けっきょくわたしが求めているものは恋人でなくて親なのだと気づく。親が幼児に接するようにしてくれることだけを望んでる。ずっと目を離さないでわたしだけを見てわたしだけを大切にしていてほしい。手をつないで歩いてほしい。いいことと悪いことを教えてほしい。それで、いいことをしたら頭をなでなでして大げさに褒めてほしい。寝るときはぜったいに抱きしめておいて。いちいち面倒見てほしい。

 キモイのは承知なのだけど、よく、子育ての悩みをググって、幼児を思う親の気持を読んで泣いている。うーん。わたしって、そこに何を見出しているのだろ。こんなふうに思われたかったよ~ってことなんだろか。

 しかもわざわざ子育て関連でググっているのではなく、自分のう~~んってところを客観的に見てググってみると、子育ての悩みがヒットするの。わたしの行動原理って幼児といっしょなんだ。うける。

 

 ほんとうは、子供だけの国にすみたい。食べたいものだけ食べたいときに食べてあるだけお金を使って酔っ払って眠って起きてすきな服をきてなにをするでもなくただ時間を過ごして過ごして眠くなったら眠る。

 鳥の巣ってきっと子供だけの国だったんだっておもった。 

 子供だけの国で子供だけですごし続けることができればよいのだけど、そんなふうにもいかないだろうと思っている。絶望的! 自分がそこに希望さえ見出していれば、そうなることもできるはずなのに。

 だからわたしは大人になるしかないのだ。わたしが大人になるにはどうしたらいいんだろう。

 いちから育てなおしてほしい。育てなおしてくれるようなひとといっしょにいなきゃいけない。のだけど、わたしは子供の国にすみたい~なんて考えているもんだから、好きになるのは子供で、やっぱり親を求めているひとなのだ。ジレンマちゃん。

 

 今は居心地よくてこのままでいいっておもうけれど、いつまでもこのままではとも確実におもってる。タイムリミットがちかづいている。

 学生のうちに、学生同士で恋人作って、この子供の国をもっとまんきつしておけばよかったって、今はちょっとおもうの。学部生時代って、いつも稽古稽古でたらたらしている時間ってあまりなかったなって気もする。今となってはまわりはほとんど社会人だし、社会人はおしごとがあるし。わたしももうすぐシャカイジンなのだなあ。
この世界、いわゆる世間というものは大人の世界なのだから、この世界できちんと暮らすには大人にならなきゃいけないな。大人になるのがいちばんいいのだとわたしもおもう。

 
 19歳の女の子がアルバイトをやめた。これからいくつもアルバイトを経験して、バイトで忙しくて入らなかったサークルなんかにも入ったりして、そのたびに新しいひとに出会ってゆくのだなあと思うと、胸がぎゅっとなった。また通り過ぎられちゃった。

 

 いつも、終わりから見ている。通り過ぎられることを前提に時間を過ごす。始まったしゅんかんからいつもかなしい。かなしいだけだー。

 高校生のころの部活がさいこうにたのしかった。ギターはちっとも弾けるようにならなかったけれど、みんなが練習する音を聞いたり、好きなバンドのはなしをしているだけで涙がでるほどしあわせだった。おっきなギターケース背負って汗をだらだらかきながらスタジオまで延々歩いたり、遅刻しそうになってワーッて走ったり、観月橋の河川敷で朝まで過ごしたり、すっごくきらきらした時間だった。でもそのぶんいつもかなしかった。こんなの永遠じゃないって知ってるんだもん。卒業すればぜったいに終わる。卒業しなくたって、時間がすぎれば状況はすこしずつ変化してゆく。いつもそう。

 なに食べてもなに見てもなにしても永遠じゃない。思い出しか残らなくてかなしい。 

 子供だけの国ってたぶん永遠がそこにあるんだなあ。鳥の巣のなかで永遠に微睡んでいたい。

 

 

 あさって内定先のカイシャに行かなきゃいけないからエブリのグレーのカラートリートメント使ってみたけどぜんぜんだめ。あしたもういっかいがんばる。 

 バイトからの帰り道で、セーラー服着たおっさんとすれ違ったけどめっちゃ照れてる顔しててちょっとキュンてなったよ。仕草も照れっ照れだった。わたしもあんなふうに素直に照れてる顔ができるにんげんになりたい。