年末のおまつり1、ハロウィン
はあああハロウィン。ハロウィンからお正月までの流れが好きすぎて毎年胸が痛い。ときめきに心臓がついてゆけない。
街中がにわかに浮き足立つ。装飾やBGMが変化する。うれしはずかし切なくて涙でる。また一年が終わる。
小学生のころ、近所の英会話教室に通っていた。
外国人の先生は怖かったけれど、みんなとバスに乗って通うのが好きだった。別の学校の子と顔見知りになれるのも楽しかった。付けてもらった英語の名前は今でも覚えている。でも綴りが思い出せないのでひみつにしておく。
何より好きなのは季節のイベントだった。なかでもハロウィンパーティは好きだった。教会施設を貸し切って皆して仮装で集まり、広大な敷地内で宝探しをした。草むらや木の上にお菓子がたくさん隠されていた。
わたしはカワイイコスプレ衣装が着たいが故にハロウィンが好きだった。コスプレを楽しむのではなくコスプレをしたカワイイわたし、のほうに興味があった。一番お気に入りだったのは母手作りのふしぎの国のアリスの衣装。うさぎのぬいぐるみを持って照れて、かわいこぶっていた。
今思えばコスプレイヤーとしての素質はばっちりだと思う。でも私はコスプレイヤーにはならなかった。一言で言うと、超絶自意識過剰だから。
お世話になっている方の誕生日パーティで、コスプレ大会をするらしい。ハロウィンもとっくに過ぎた12月に。
クラブのきれいなお姉さん方もたくさんいる中で、ちんちくりんのわたしが一体何をすれば、と途方に暮れている。ただカワイイ衣装を着てぶりっこしていれば当然元のカワイイお姉さんがカワイイ衣装を着ている姿と比較され惨めだし、かといってネタに走っても元がキレイなお姉さんが全力でネタに走ったギャップには勝てない。勝てない、っていうかそんなことする度胸がわたしにはない。羞恥心を捨てきれない。
ちなみに去年はクラブのお姉さんのタコのコスプレが優勝したらしい。タコって。すごいね。
きっと当日は半端な仮装をして半端な様子を晒すことになるはず。つらいね。今から気が重いです。
あと数日で街中にコスプレをした女子大生の集団が溢れると思うと気が気でない。Facebookに次々とアップされる友人たちの仮装USJの写真もなんだか胸が痛い。
コスプレしてカワイイ~って言われたい気持ち、あるいは本気のゾンビメイクとかして安易にカワイさに走らない自分カッコイイ~ってなる気持ち、よく分かるよ。
願わくば、ハロウィン当日バイトをしている店内にそういった人たちが来ませんように。