おやすみなさい

旧nikki desu

明日も死ねなく生活続くリアリティ


中上健次シンポジウムみたいなのを聞いてしまい、それで憎らしくもああ文芸って芸術っていいよなあって思ってしまった、いいよなあと思った瞬間から背反してしかしわたしはここを去るという現実が押し寄せる、芸術から離れるのが寂しくてしかたがない。

来年には学校を出る。そうすれば仕事が始まる。

絶対就職する、芸術一本なんてマジでクソくらえだし、そもそも芸術も芸術家も嫌いだ、芸術家も社会運動家も嫌い、っていうか名乗るやつ全員嫌いだ自意識過剰自意識過剰自意識過剰自意識過剰、でもわたしだって負けず劣らず自意識過剰だ。それだけは間違いない。

 

「オレこれしかできないから~」とか恥ずかしいことを恥ずかしげもなく誇らんばかりに言ってみたり、「就職なんか逃げじゃん」とか就職したこともないくせに言うやつがほんとうにほんとうに嫌いで、もはやそんな前時代的なアーティストですの(笑)みたいなひとほとんどいないのだけれど、一部にそんなことを言うやつもいるし、無意識下でそう思っているやつも絶対にいるし、そんな仮想敵を作って私は怒っている。怒って、わたし以上にふつうに生きる努力をしろと思う。それしかできないからそれをやっている人よりなんでもできるけれどすべての中からそれを選んだほうが絶対意味があるんだと信じる。

就職、それが無駄だったか意味があったかは実際に経験してわたしが自分であとから決めることだし、なによりわたしはリクスー着て黒染めして苦悩しながら就活もしてみたいし新卒で社会に出てみたいし、それそのものに興味があるからやってみるのだ、と思っているし実際そうだけれど、だけど、でもそれで時間が減るのは事実だ。

公務員でもなければ仕事をしていれば自分の時間を作るのは難しいよね。じゃあ公務員にでもなる努力をすればいいのだけれどわたしはそんな努力するのは時間の無駄だと思って、そんな時間があるのならわたしはキーボード叩きますと、就活だって早々に終わらせた。就活しているときすら、就活とかうける~超おもしろい~と思っている反面こんなことしている場合ではないと焦る自分もいた、当たり前だった。あれ矛盾している。

 

同期で卒業した友人たちは知っている限りそのほとんどが新卒で入った仕事をやめている。芸術なんてって一般企業に勤めたけれど一年で辞めて制作に戻った人もいるし才能あるのにおもしろいのに一般企業に勤めて辞めてまた別の仕事して辞めてまたってしている人もいる。周りからはもういいんじゃ、と思われているけれどずっと制作一筋の人もいるし勤めながら制作している人もいなくはない。念願の専門職に就いたけれどやっぱりダメだったって辞める人は特に多い。どうなるか分からないよな。まだ二年目だし今後いろいろなことが起こるでしょう。

人生続いてゆくのだから長い目で見ればいいってわたしは思う。スポーツ選手ほど、ダンサーほど限りある時間ではない。二、三年は経験にくれてやる。と思う。一年続けて無駄だと思ってやめました、でもいいし、十五年もだらだら続けちゃいました、辞めるきっかけなくて、でもいいし、半年仕事してみたら芸術なんていつ実るかもしれない種をまき続けるよりもっといい生きがいをみつけた、でもいい、どれもいい、どれもわるくない。呪いみたいに繰り返そう、どれもいい、どれもわるくない、どれもいい、どれもわるくない。だからどうなっても大丈夫だよ。でもたまの休みに美術館行ったり毎日本読む時間くらいは大切にできたらいいな。

 

明日死ぬかもしれないし、というリアリティと、明日も死ねない、というリアリティの重さ同じくらい。明日も死ねなく明後日も死ねなくいつかうっかり死んでしまう日までそのリアリティが積み重なり重い重いでも生活続く。人生長いなあのリアリティと人生短かったねのリアリティ。

うつくしいものしか見たくない。って思う日ある。でもそれじゃ生活できないから本読んでうつくしい言葉を入れて目を閉じ眠る。朝が来る。と思って目が覚め辺りがまだ暗かったときの幸せ、まだ眠れる幸せ。幸せ噛みしめ微睡の中に落ちてゆく。人生長いなあ。のうつくしさもいいけどね。

うつくしいだけの生活なんかぜんぜんおもしろくない、カワイくない、いとおしくない。必死で働いて意地汚くてお腹減るしジャンクフードも食べるしちょっと知り合ったひとのことネットで検索してツイッターの裏アカ見つけて年下のカワイイあの子が見知らぬ誰かの悪口言ってて幻滅、メンヘラゲスビッチキャラもうお腹いっぱいなんだよなあなんて考えながらコンビニ弁当食べて寝よ。

 

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