おやすみなさい

旧nikki desu

免許いらない


昨日は自動車免許の更新に行ってきた。

バスで行けることを失念していて、さて免許センターまではどうやって行けば、と思っていたところ父から「送っていってあげようか?」とのお言葉。ありがたく承り、一時間以上ふたりきりというのはなかなか心配だけれどしかたないのだから考えないようにしよう、と思っていた。

ところが前日になって、あれっそういえば免許センターまでってバス出てたなとはたと思い出した。なんで父に頼む以前に思い出せなかったのか、あるいはいっそ忘れたままだったなら、と中途半端な自分を恨んだ。

それから数時間、一時間以上父と二人きりで過ごすのとかかなり久しぶりだしなんだかしんどい、何話せばいいのか分からない、父なんて学校の先生くらいの距離感だしまるで接待だ、いや接待なら接待と割り切れば仕事と変わらないからいいのだけれど、へたに父だし今更接待ぶれないし、どうしよう、これは困った、どうすれば、乗ったら乗ったですいーと終わるのは分かっているのだけれどそれまでが問題なのだ、乗ったらすぐ終わるけれどその乗るのがいやなのだ、ありがたい気持ちはあったけれどありがたいと思わなければならないことにわだかまりがあるのだ、などと悶々とし、しかたないのならしかたないけれど、なんでバスでひとり気兼ねなく行けるところをわざわざ人様に頼み、その上相手には一分の利もなく、ただ人様の時間と体力とガソリンを削るようなまねを、と考えだしてしまった。ジレンマさんである。

「ごめーんやっぱバスで行く☆」って一言言えば済むところなのだけれど、妙に頑固で思いこみの強いわたしは一度宣言したからには必ず実行しなければならないと思っている節があり、わたしのなかでわたしが明日父の車に乗って父と二人きりで免許センターに行くことはすでに決定されており、それを今更自分勝手な理由から覆すことはできないのであった。

だから行かなきゃならない、でもなんで父と、というところで、もう決定されているのだから(別に決定されていない)考えても無駄なのだけれどでも考えずにはいられなかった。とってもとっても機嫌がわるかった。

 

結局、乗った。わたしは助手席が苦手でできる限り後部座席に乗りたいのだけれど、今回は父が自転車を積んでいたため助手席に乗ることになった。乗って、予想通りすいーと終わり、まあ悪くなかった。隣で寝ない、とかたまに喋る、とか一般的な気遣いくらいはしたけれど、それ以外はさほど気を遣うこともなかった。それよりも、窓の外の知らない景色に夢中だった。

更新が終わる時間にあわせて父がコンビニでアイスを買ってきてくれた。うれしかった。もちろんお疲れさまの意なのだろうけれど、父の性格的に一番は自分がアイス食べたかったのだな、と思った。ちょっとカワイイと思った。チーズケーキのような濃厚なアイスだった。二人して無言でそれを食べた。

父はわたしが免許を更新しているあいだ、嵐山へ行ってきたそうだ。めっちゃ混んでたと言っていた。そりゃそうだろう、一年で一番混んでるよ。

 

家に帰ったら、母がきんつばを買ってきてくれていた。中身はあんでなくさつまいもだった。甘くてしっとりしていた。試験を受けにいっていた妹は、ベビーカステラを買って帰ってきた。ふかふかしていた。

思い立って、父にお礼に、以前貰ってあけていない日本酒と焼酎をあげた。

新しい免許証の写真を妹に見せると「ふつうだね」と言われた。わたしはすっげーブスだと思った。

久しぶりに、家族そろって夕食をとった。すき焼きだった。糸こんにゃくが好きで、糸こんにゃくばかり食べていた。糸こんは正義。食事ってもしかして糸こんさえあればいいのかな、とわたしは思った。

平和な一日だった。

わたしはわたしの思考回路さえいなければ平和な毎日を暮らせる、と思った。

 

 

f:id:mayonakanonami:20141124124553j:plain