おやすみなさい

旧nikki desu

先急ぎ症候群


贔屓目かもしれないけれど、父は同年代の男性に比べるとけっこうかっこいいと思う。

身長はそんなに高くはないけれど今もずっと運動をしていて体は衰えていないし、多趣味で話題にも事欠かない。たばこも吸わないしギャンブルもしない。勉強熱心でいつもなにかの勉強をしているし、週に一度は図書館へ行ってどっさり本を借りてくる。ファッションは、たまにおかしな色だったり古いものを着ていることもあるけれど、こだわりがあって良いものを長く使うタイプだ。いつも、母が何かするたびに大げさに褒めそやし、大いにかわいがっている。

他人だったら好きになっていたかもしれないと思う。

父とはあまり関わりがないけれど、わたしは父のような人間になりたいと思う。

難点としては、父もわたしも少しせっかちなところがある。

 

免許更新の講習のときに言われた、「先急ぎ衝動」という言葉が印象に残っている。

元来生存競争においては早く動くことが重要であり、より早く動けばそのぶん多く・早く獲物を得ることができる。我々には急ぐ遺伝子が根付いている。人より早く新しいオモチャを手に入れたかったりするのはこのせいだ。しかし生存率(道路上での)を上げるためにはこの先急ぎ衝動を抑えなければならないよ、というのが講習の意図であった。

なんでこんなことを思い出したかというと、父もわたしも先急ぎ衝動がすごいんである。せっかちだ。いらいらすると喋るのがものすごく早くなる。たくさん情報を盛り込みたいのと、相手に割り込まれないため、相手に情報を整理する余地を与えないために早口になる。しかもちょっとわざと相手を小馬鹿にするようなニュアンスを声に含ませてしまう。とっても悪い癖だ。性根が腐っているとしか思えない。主にわたしだが。

 

何度も言うが、先急ぎ衝動がすごい。なんというか、駅の乗り換えとかものすごく走る。電車はまだ来なくても走る走る。走らなくともめいっぱい早足になる。非常にどうでもいいことなのだがどうしてだかその電車を降りた中で一番最初を歩いていたい欲求がある。だいたいは無理だが、たまに先頭を歩いているときなど張り切って早足になる。しずかにスピードアップする。抜かされても暴れたりはしないけれど、oh,って気持にはなる。こと駅の乗り換えにおいては二日酔い以外でたらたら歩いていることはまずない。

とにかく何につけても基本的に他人が気になり競争意識は強いほうだと言えるだろう。安全運転自己判断というテストを受けたが、「自己中心的」と「攻撃的」の項目が著しく高い。まあわたしの本性はこんなところだろうと思う。

ところがこれを表面化しないようにじりじりじりじりしているからめんどうなのだ。自分でも、こんなに自己中心的で攻撃的な人間は嫌だという判断くらいはつくので、それを表に出さないように努力する。努力するけれど本当はそうなのだからギャップが生まれてすとれすが溜まる。またジレンマさんである。

テストだって、別に提出しなくていいよと言われたのですなおに受けたが、これを自分以外の誰かが見るとなればわたしは回答を改竄する自信がある。

現代では、先急ぎ衝動バリバリの人間はガツガツしすぎで余裕がなく、好ましくないだろう。そんなんじゃむしろ生きづらく、生存率(日常での)下がるよ、と思う。

現状から見るに、わたしは現代的ではなく野生に近く、文化的でない、と言えるだろう。致命的である。文化的で心穏やか、やさしく温かみのあるスタイリッシュな人間にあこがれているというのに。

生まれ変わったら温暖な気候の地域で穏やかな家族の元暮らす賢い飼い犬になりたい(小型犬希望)。


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猫も好きだけれど猫アレルギーだから触れないつらさ。