おやすみなさい

旧nikki desu

ひとり相撲ごっこごっこ


よく泣いた夢をみて、目が覚めるとのどが痛かった。

母と二人でホッコリ系の個人商店みたいなお店に行った。ガレージのような砂っぽい店だった。店から出ようとすると雨が降っていた。芸大によくいるタイプの髪を伸ばし無精ひげを生やし、アースカラーのよれよれとした服を着た反資本主義みたいな店主が親切にもビニール傘を二本くれた。汚い傘だったが、わたしはその心遣いがとてもうれしかった。母はしかし、もっときれいなのをください、と言った。わたしは母のその発言とその発言を平気で出来る精神性に心から嫌悪感を感じた。

帰り道、雨は止んでいた。母はさっきの男の悪口を言っている。わたしはそれが許せなくて、男の親切心を分からない母が許せなくて、声をあげて泣いた。どれだけたっても涙は止まらなかった。どうしようもない重さで悲しみがのしかかってきた。

目が覚めるときっちりとのどが痛かった。泣いてたな、と思った。夢でよかった。母は、基本的にはこんな性格ではない。自分の心を母に映してしまったのかもしれないと思った。私もこんな性格ではないと信じたいのだけれど。

 


この一年、よく発熱した一年だった。わりと健康体なのであんまり体調崩すことってなかったのだけれど、今年は一年に一回レベルの体調不良を四、五回やった。厄年だっけ? と何度か思った。扁桃腺炎は一度すっきりと治り、二日ほどまえからまた喉が痛い。毎朝ホットミルクにはちみつを垂らして飲んでいる。バイト中には、はちみつを若干のソーダで溶き、カットレモンを搾ったものを舐めている。

四回生のころは卒業制作が辛くて酒ばかり飲んでいた。朝起きて学校に行く前にビフィータージンをオランジーナで割って二杯くらい飲み、コンビニでアブソルートウォッカのミニサイズとゴクリかスキットル型のアーリータイムズとコーラを買って、それぞれいい塩梅で混ぜてから学校に行き休憩時間のたびにジュースのていでそれを飲んでいた。学校帰りにはコンビニやスーパーで缶チューハイを買って飲みながら帰った。

卒業、進学して、ようやく店で酒を飲むようになってきた。一年間よく飲んだ。一週間に三回くらい飲みに行って、そのたびにひどい二日酔いになっていた。ばちがあたったのか、年末には転んでくちびるをパッカリ割って十二針縫った。

二○一四年になって就活を始めようと思ったらインフルエンザにかかった。そんな一年の始まりだった。

就活を終えて新年度になって、いよいよ学生生活もあと一年だと思ったら無駄なことはひとつもしていられなくなった。授業をまじめに受けてバイトもして余った時間は制作に当てた。飲みに行く回数もぐっと減った。まじめに過ごした一年だったけれど、やたらめったら体調を崩した。二日酔いは減ったけれど。

働きたくないな、とたまに思う。正社員として働いている時間がもったいないと思う。けれど「正社員として働いたことないから~」って言ってくるどこにもいない仮想敵のその言葉を潰すために働く。

なんだか自分の一番の敵はいつも自分の中にいる。ひとり相撲。

 

 

いまIKEAのホットドッグがすごく食べたいのだけれどホットドッグのためだけに2000円かけてIKEAには行けない。

 

 

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