おやすみなさい

旧nikki desu

dilemmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmma

 

はりねずみを飼う夢をみました。


昨年末ごろから今年初めまで、しばらくちっとも夢を見ない期間がつづき、アアもうほんとなんなの、夢みれないとかほんと生きてる意味ない、と思っていたのですが、ここひと月ほど、また夢を見るようになりました。いろいろな夢をみます。たのしいです。生きている甲斐があるというものです。

 

昨日は一日休みだったのですが、一昨日仕事が遅くなり終電を逃し、タクシーで一時ごろ帰宅し、そのままベッドに入って眠ってしまいました。化粧も落とさず、着替えもせず。ストッキングとブラジャーだけ脱ぎ捨ててそのままふかふかの布団に潜り込みました。無印の毛布にくるまれている時間は至福。一生まっぱだかで毛布にくるまれていたい。

 

人と会う用事があったので昼前に起きて化粧を落としてシャワーを浴びまた化粧をして出かけました。

数時間で帰宅して、そのままタイツとブラジャーを脱ぎ捨てて布団に潜り込みました。いつの間にか眠っていました。十二時間が経っていました。

 

 

夢を見ました。

ハリネズミを飼う夢でした。

 

小学生のころ、わたしはハリネズミを一匹飼っていました。まりもという名前でした。彼女はとても美形のハリネズミでした。

動物好きの父が、ハリネズミが飼いたいと言ったのがきっかけでした。動物が苦手な母は反対でした。金魚しか飼ったことのなかったわたしは喜びました。温かい生き物が、わたしは大好きでした。

五センチほどの大きさの赤ちゃんをペットショップからいただいて、ダンボールの箱に入れて持って帰ってきました。とってもとってもかわいかった。がさがさいっている箱の中の小さな存在感がわたしにはとても大きなものに感じられました。

結論、それからわたしはろくにハリネズミに興味を持ちませんでした。否、動物と接したことがほとんどなかったので、どうすればよいのかわからなかったのです。

まりもとの思い出は数えるほどしかありません。

まりもと過ごした時間より、ぬいぐるみのチョコとクリームちゃんと過ごした思い出のほうがたくさん覚えています。

世話はほとんど父がしていました。わたしと妹は、たまに、父の休みの日に父と一緒にまりもと遊びました。革のてぶくろをしてまりもを抱き合げ、ときに素肌でまりもの腹に触れ、その温かさを感じました。ゲージの外から、よく、じっとまりもを眺めていました。丸まって眠っているすがた。泡を針に擦り付けているすがた。ミルワームを噛み千切るすがた。

わたしは昔から動物が好きです。とくに愛玩用の小動物が好きです。なんだかとても愛おしくて哀しくてたまらない。わたしは愛玩用の小動物が好きだ。でも、どうしたらいいのかよくわかりません。接し方が分かりません。

幼稚園児のころ、園に集まってくる野良猫が愛おしくてしかたなく、むりくり撫でまわしていました。結果、わたしは猫アレルギーを発症し、それ以降ほとんど動物には触れていません。今はもう、どうやって触れればいいかもわかりません。代わりにぬいぐるみを撫でます。売れ残っているぬいぐるみ。家に連れて帰ったぬいぐるみ。かわいいね、いいこいいこ。君はよいこ。

 

夢のなかで、わたしは素手でハリネズミを愛でていました。針を立てられても、丸まった身体に指を巻きこまれても、わたしはちっとも怖くありません。痛いけれど、痛いだけ。力を入れなければ、拒絶しなければ大丈夫。わたしはここ十数年でそういうことを学んだのかもしれません。

 

まりもが死んだのを一番初めに発見したのは、ほんとうはわたしでした。

夜中、トイレかなにかで一階のリビングに下りてきてまりものゲージをふと見て、どうしてだか、あ、これはもしかして死んでいる、と気付いたのでした。

けれどわたしは何も言わなかった。誰にもなにも言わなかった。

翌朝起きて、母から、まりもが死んでいたことを聞かされました。わたしはなんといっていいか分からずに、無関心そうに、そう、と言いました。

金魚が死んでいるのを見つけるのも、家にどろぼうが入ったことを見つけるのも、いつもわたしが一番さいしょでした。けれどわたしはいつもそれを誰にも言わなかった。いつもとの違いに怯えて、ひとり身を縮こめていました。

あれは、わたしの罪です。わたしの小さな、けれど重い罪です。

 

まりもはたまにゲージを抜け出して、隣の部屋のぬいぐるみの下に隠れていたなあ。わたしはそれを見つけるたびなんだか泣きそうな気持になっていたのでした。

わたしがハリネズミだったら。わたしがハリネズミだったら。

 

 

 

 

 
 
 
 
 

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