おやすみなさい

日記以上の意味も価値もない

姉と妹

 

 

 

ちかごろ知り合いの娘さんたちと関わることが多くある。

彼女らは小学生の四年生と二年生の二人姉妹だ。

この姉妹、両方とても人懐っこく、愛嬌もあってかわいらしく、しかも賢い。人をよく見ている。名前もすぐに覚えるし、その人それぞれの癖なんかもよく覚えていて、それで一笑い取れてしまう。すごい。

 

ふだんは二人してキャッキャとじゃれあっているが、よくよく見ると妹のほうが自由で姉が少し配慮しているように見える。

私はどうしても姉に感情移入してしまう。

年齢も違うのだから当たり前かもしれないが、それでも私にはお姉ちゃんの気持ちがよく分かる。

自分が気に入っている、仲良くしている人を妹に横取りされるのが一番嫌だったり、気ままに振る舞う妹が羨ましくてちょっと妬ましかったり。

気にしないようにしているけれど、絵画や書道、作文なんかの表彰が多いのを妹が自慢してくると妙に癪だったり。

ぜんぶ私に覚えのあることだ。だからこれは私の話だ。

 

二人きりでこっそりと話しているとき、お姉ちゃんがぽつりと話してくれたことがある。

昔、お母さんと妹と三人でショッピングモールへ買い物へ出かけたとき、お母さんに「ここで二人でちょっと待っていてね」と言われたのに、妹は勝手にどこかへ行こうとする。

妹は一度迷子になったことがあって、こんな大きなところで放っておいたら確実に迷子になってしまうだろう。

でも自分が今ここで妹を追うと、お母さんからの言いつけを破ることになる。自分も一緒に迷子になるかもしれない。

大声で妹の名前を呼ぶけれど、妹は気にもかけずに進んでいってしまう。そのうち姿を見失う。

焦りと不安で涙が出そう。

そのうちお母さんが戻ってきて、妹はどこへ行ったのかと問う。そんなことは私が知りたい。私だって知らない。

不安で心配で、でも必死で涙をこらえて母とようやっと妹を見つけてみると、妹はけろっとした顔で笑っている。母は怒っている。なぜだか私が泣けてきた。自責の念と安堵感で涙が出る。

なんでだろ? って笑って言っていたけれど、胸が締め付けられる思いだった。

わかる、わかるよ。妹って勝手だよね。お姉ちゃんってしんどいよね。

私も何度もこんな経験をしてきたように思う。

世の中の姉全員がこんな思いをしているのだったら、私は姉妹の姉がいじらしくて愛おしくてしかたない。

 

自分が大人と呼ばれる年齢に至って、子供と呼ばれる年齢の女の子と話していて気づく。小学四年生ってこんなに子供なんだな。

私はその頃にはもうすっかり大人になった気でいた。でもこんなに子供だったんだ。

もっとすなおになんでも言えばよかった。ゆるされたのに。

今もきっとそういうことを繰り返している。いつだって今が一番若いのにな。

 

 

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