永遠の一人組
ここ数日機嫌が悪く、目に入るものすべてがとにかく気に食わなかった。脳内にJKが住んでいてそのJKが辛辣なひとりごとを繰り返していた。バイト先でも家でもあまりに態度が悪くて申し訳ないので、おなかすいた? 甘いもの食べていいよ? あ、お酒かな? 違う? でも一応飲んでみたら? どう? おいしい? あ、やっぱり違った? もしかして眠い? ちょっと早いけどおふろは明日にしてもう寝ちゃう? あ、ちがう? とセルフ機嫌取りを繰り返していたのだけど一向に直らなかった。今朝起きたらなんか直ってたけど明日バイト行ったらまたJK出てくるかもしれん。
癒しってなんだろうと何度も考えた。ぬいぐるみをフニフニしながら考えた。
わたしにはキャラクターやぬいぐるみはとても健気でがんばりやさんに見えるので、彼らを見習いたいと思う。
表情ひとつ変えず投げられても踏まれても文句も言わず飼い主の帰りをひたすら待っていてくれる。愛しい。わたしもぬいぐるみになりたい。
穏やかそうに見えて気性が荒くヒステリックなところがある、というのがわたしに実態なのだけど、実態だけど外に出さなかったら問題ない。ですよね。
穏やかそうに見えてほんとうに穏やか、というのも尊敬するし、穏やかそうに見えて本当は穏やかじゃないのだけれど他人から見ればとても穏やかな人に見える、という努力も尊敬する。わたしは穏やかな人になりたい。他人に対する攻撃性、みたいな意味不明なものを自分の中から取り払いたいのだがうまくいかない。
サンリオが、大すき。(図らずして某ジブリっぽくなってしまった)
サンリオは穏やか。
幼いころは、色合いや形でなんとなくカワイイ~好きかも~となる。子供のころに使っていたものダサイ、の時期を経て、すこし大人になると、サンリオはまた新しい顔を見せてくれる。サンリオは何度でも楽しめる。
サンリオキャラは、あれ、きっと屈強なアイドルみたいなものだと思う。「あれは演技ですという態度の演技」「「私、ぶりっこしています!」という態度」を演じているんです。しかも、心折れることなく。
人間のアイドルは、売れるためなら! とキャラ作るのだけど、それで叩かれたりするとちょっと疲れてきちゃう。弱音とか出てきちゃう。だけどサンリオアイドルは平然と、え、私、カワイイですけど? 子供騙してますけど? 何か? 自分だって騙されたいんでしょ? みたいな態度。そうなんです、騙されて遊びたいんです。ありがとうございます。
わたしはキキララちゃんが大好きです。人型のキャラクターってあまり好きじゃないのだけれどキキララちゃんは別。
いい年してキャラクターグッズ大好きなので、学校に持っていくものでいえばファイル、ノート、ふでばこ、シャーペン、iphoneケース、イヤフォンジャック、化粧ポーチ、その他小さめポーチ、あたりはキキララちゃんで揃えている。そういえばiphoneのロック画面と待ち受けもキキララちゃん。痛いサンリオババアみたいな感じです。
そういうサンリオ好きが根底にあってなかでもキキララが好きなのは、きっと二人組だから。わたしはむかしから二人組に異様に執着しているところがあって、とにかく二人セットに憧れがある。ぬいぐるみを買うときも二つセットで対になるように買う。
たぶん自分がひとりでさみしいので、自分とセットになってくれるひとを探しているのだと思う。
運命の人、とかいうのも本気で信じている。赤い糸とか。
まことにキモイ話なのですが高校生のころは一人のバンドマンを本気で運命の相手だと信じていた。四六時中彼のことを考えていたしいつか必ず出会うと信じていた。まじキモイし結論から言うと当然彼は運命の相手ではなかった。
なんとなく違うっていうのは徐々に分かってきて、それでもなお出会うまでは分からないじゃん、と言い聞かせていたのだけど、ひょんなきっかけで彼と初めて向かい合って、ああ違うんだなと冷静に分かった。べつになんてことはなかった。ただ運命の相手じゃなかった。がっかりしたけれど自由になった気もした。適当に恋をして適当に好きな人と付き合ってもいいやと思った。
それでずっとわたしは今も運命の人と過ごすためだけにウダウダしているのだけれど、これがなかなか出会わないんだな。
誰かが気になったり恋をしたりすると毎度もしやこのひとは、と考えるのだけど、そのうち好きじゃなくなって「運命じゃなかったんだなあ」とか、好きではいるけれど「やっぱ違うよなあ」とか、自分勝手この上ないのだけど、じゃあまた探さなきゃなあ、と、考える。好きだよーって言いながら、でも運命の人じゃないよーって思う。
運命の人、って、劇的なほうの運命。ビビビ! のほう。ずっと一緒にいたのだから結局このひとが運命の人だったのだ……(死に際)というまったりしたほうの運命じゃなく。そういうのもあると思うんだけどわたしはまだその他にはなにもいらないようなビビビを探している。無条件に、なにも考えず、いやなにを考えてもかならず一緒にいられる運命の人。
運命の人かどうかなんて関係ないよどっちでもいいよと思う自分ももちろんいるのだけれどどっちでもいいのならわたしは運命の人を探したい。
といろいろ考えながらキキララをじっと見ていたんだけれどなんかそんなにカワイくないなこの二人。やっぱ人型だからかな。
キキララって結局擬人化なのだからつまるところ星二つでもいいのではないか。わたしはリトルツインスターズという名のゆめ星雲おもいやり星出身のピンクと水色の星(たぶんこんなかんじ→゚'・:*:・。, ★☆ ,。・:*:・゚)でも萌え愛せる自信がある。キャラ付けだけされていれば形はそう問題ではない気がする。
これって人間も似たところあるとわたしは思うのだけど、いやただの星二つじゃ萌えられないよ! って人がいるのも分かるので一応化粧して髪を整えて今日着る服をしんけんに選ぶことはやめないでおくけど。
キャラクターには本物の自我がないので、感情移入や思い入れを拒まないというのが魅力のひとつだと私は思う。ぬいぐるみも然り。わたしも他人から感情移入されるような思い入れされるような存在でありたい。わたしの自我はたいしていらない、と思う。
妹に、画質悪すぎ、と罵られたロック画面。