食べたい
毎回最終回みたいな日記を書いているなと思う。はずかしい。
むだに感傷的だしじめじめしている。かっこわるい。でもたしかにわたしはいつも最終回の気分でいる。
わたしはいつもエンディングを見ている。そしてわたしはいつもそのエンディングにふさわしいテーマソングを探している。
あるときのそれはグレイプバインのEveryman,everywhereだった。あるときのそれはピロウズの白い夏と緑の自転車、赤い髪と黒いギターだった。あるときのそれはオザケンのラブリーで、あるときはアンディモリのlife is partyだった。
わたしひとりだけ、いつも勝手に終わりを見ていた。終わりとその先。終わりすら終わってしまうということ。
なぜわたしはこうも人から離れているのか、とたまに考える。さっぱり分からない。
基本的には、コミュニティに入れない。いや、なんとなくそこにいるにはいるのだが、コミュニケーションが取り合えないし、なんというか、そのはがゆさと気恥ずかしさと不満によって、自分が勝手にフェードアウトしている、ということはある、とおもう。
なにかの予防線を張っているのかとおもう。いや性格だともおもう。なによりきっと、人と交流する努力をしていないのだとおもう。
わたしはどこにいても渦中にいない。それはとてもざんねんなことだ。
自分のはてなのプロフィールを見てひいた。もう23さいでもなければ学生でもない。適正な値に変更しておいた。職業欄は空欄にしておいた。
自炊が適当になってきた。最初は火を使わないで素材をそのまま食べる、という段階があり、一時はレンジでチン、にはまり、麺類ばっか食べてる時期もあり、からの、めっちゃ炒めている期があり、今また素材そのままに戻ってきている。家に帰るといつもいい時間なので、ざくざく野菜を切ってマヨネーズとかつけて食べている。あと豆腐。豆腐に塩かけて食べてる。
こう聞くとめっちゃ健康的やねってかんじがするけれど正直なところ量が尋常じゃないしなんならお菓子とかもものすごく食べている。一時間は食べてる。朝も一時間以上食べている。わたしは食べ過ぎだとおもう。
左足の小指の爪が取れた。あるとき気付いたら既にほとんど剥がれていて、それから二日ほどですべて剥がれ落ちた。うっすらとその下に爪のような薄皮のようなものが生えていて、そのおかげかちっとも痛くない。ふしぎだ。
けれどこのせいで、ペディキュアが塗れない。
わたしは足の指が長く、ついでも爪も長い。なんというか、足の指って横長の人が多いと思うのだけれど、わたしのはきっと手と足を間違って生えてきたんだってくらい縦長で手のそれに近い。とくに小指のものはそうで、わりと、気に入っていたのだけれど、今見たら足の爪めっちゃ傷だらけだ。毎日わしわし歩いているからだとおもう。これからはこうやって足の爪を傷付けながら生きてゆくのか……それっていやだ。
こんな生活を送っていると、自分が何が好きで、どういう世界で生きてきたのかを忘れそうになってしまう。社会に出てお仕事するのもいいけれど、それだけは忘れちゃいけないよな。
大学の友達は貴重だとおもう。学部、院時代は、いままでよりずっと必死で、いままでよりずっと恥の多い、けれど実りの多い時間を過ごしたようにおもう。
一緒に美しいものをみて、尊いものについて考えて、自分の作品やひとの作品について本気で考え議論した時間や経験をわずかでも共有できたということは、ひどく貴重、で、なんだかそんな経験をできたことがうれしいし、もはや懐かしいし、戻りたいともおもう。でも戻れない。
家賃8万の部屋に住みたい。それから家賃12万の部屋に住みたい。そして家賃20万の部屋に住みたい。
夜景の見えまくるタワーマンションの最上階に住みたい。むだに装飾過多で華美なお城みたいな豪邸に住みたい。
いい家に住みたい。いい家に住みたいとおもいながら暮らす。いい家に住む夢を見ながら一生暮らしたい。
健康的になりたい。
パンがふかふかだとうれしい。肌触りのよいふとんでねむるとうれしい。バレエ帰りの女の子の頭頂部の髪の照り。